「ダイビングの日程と生理が重なりそう…どうしたらいいのかな?」女性ダイバー特有のお悩みですよね。
そんな悩みを持つ女性ダイバーさんのために、親しいPADIインストラクターに生理中とダイビングについて解説していただきました。
生理中でもダイビングはできるの?
健康な方でしたら、生理中でもダイビングできます。日常生活に支障がない場合は、準備さえしっかりしておけばダイビングを楽しむことができますよ。
医学的にも特に問題はないので、生理中でも潜っている人はたくさんいます。
ですが、生理中に起こる体調の変化や症状は人さまざまです。生理痛がひどい人、貧血をおこしやすい人、生理で気分がすぐれない人、鎮痛剤などを服用している人などは生理中のダイビングは避けた方が良いかもしれません。その時の自分の体調としっかり向き合って無理のない判断をしましょう。
生理中のダイビングに慣れていないので不安、という場合は、ショップのスタッフに伝えておきましょう。トイレに行くタイミングや細かな配慮をしてくれるはずです。直接、話するのが恥ずかしかったら、前日にメールすればOK!!
生理の減圧症のリスクは分かっていない
生理が減圧症に影響するかについては、まだ結論が出ていないようです。このため、減圧症になりやすい条件にも生理は含まれていません。
ただ、生理中は通常時に比べ血流が変化するので、減圧症の発症に影響があるとの説もあります。
念のため、控えめな深度と潜水時間(深い所で長時間過ごさないように)をおすすめします。
サメに襲われそうで心配!!
サメは1km先の血の匂いを嗅ぎつけて襲いに来る、というのはデマです。生物学者による実験では、気付くのはせいぜい「庭用プールに1滴の血」だったそうです。これは見える距離ですよね。
つまり、たとえ血が漏れたとしても、見えない所にいるサメがダイバーを襲いに来ることはありません。私は新しいタンポンでも60分のダイビングが終わると漏れるくらい出血が多いですが、サメが寄って来たことはありません。
水面でバタバタしている時にサーファーが襲われるのは、弱ったカメに間違えられるから。
釣りの人が襲われるのは、釣り上げた魚を食べたいからです。
5つのコツを知って、生理中でもダイビングを楽しもう!!
日常生活でもブルーになる生理、この状態でどうやってダイビングするの?なんてうんざりしている女子のために、生理中のダイビングをより快適にする方法を5点紹介します。
スーツ別 おすすめの生理用品
おすすめの生理用品は、ウエットスーツとドライスーツで違ってきます。
どちらの場合でも、できれば1ダイブごとに交換して、清潔に保ちましょう。
ウエットスーツの場合
ウエットスーツ着用時は、漏れにくいタンポンがおすすめです。
量が少ない日や、タンポンに抵抗のある方はナプキンでも大丈夫ですが、ウエットスーツはスーツ内に海水が入ってくるため、海水も吸収して膨張してしまいます。そのため、経血が漏れる可能性があります。
量の多い時にはタンポンとナプキンの両方を使って、漏れを防いでいる人も多いです。
ドライスーツの場合
ドライスーツの場合は、基本的に海水は入ってこないので、ナプキンでもタンポンでも、日常通りで大丈夫です。漏れが気になる方は多い日用や夜用のナプキンを使用するといいでしょう。
ビキニライン隠す工夫もおすすめ
漏れそうな場合、ウエットスーツを脱いだ後にビキニラインが見えないように隠すのも効果的です。
濃い目の色の1分丈~2分丈の水着だと、少々漏れても誰も気付きません。ショートパンツタイプの黒色のインナーは、保温にもなるので一石二鳥!!
また長めのラッシュガードやボートコートでお尻から足回りを隠すのも良いでしょう。
すぐにトイレに行けるようにしましょう
ウエットスーツを腰まではいた状態でトイレに行けるのがベストですね。
クルーズ船や、大型のボートにはトイレが付いていますが、トイレのないダイビング船もたくさんあります。ダイビングサービスから港が離れている場合は、車で移動することになります。
陸にあがったら、できるだけ早くトイレに行けるようにトイレの場所を確認しておきましょう。
いつでもトイレに行けるように、替えの生理用品はポーチや防水袋などに入れて持ち運びましょう。サニタリーボックスのないトイレもありますので、使用後の生理用品の処分のために中身の見えないビニール袋も数枚あると便利です。
ダイビング中やエキジット後の冷え対策を念入りに
生理中はホルモンバランスや血流が変化するため、冷えやすい人もいるようです。
身体が冷えてしまうと、生理痛や頭痛がひどくなる可能性もあるので、ダイビング当日もできるだけ身体を冷やさないよう、次のような工夫をしましょう。
- 水温が低い日は保温性の高いインナーを着る
- 大きなタオルを準備しておき、エキジット後に水を拭きとる
- 船上ではボートコートを着る
- 体を温められるあったかい飲み物を持って行く
- ウエットスーツかドライスーツか悩む春や秋のシーズンは、保温性のあるドライスーツがオススメ
- お昼など休憩時間が長い場合は、温かいシャワーを浴びたあと乾いた服に着替える
生理時期を変更することもできる
生理中でも、体調が良ければダイビングできますが、長期間の旅行などどうしても生理を避けたい場合は、薬でずらすこともできます。
1~2か月前に婦人科で「ピル」を処方してもらってください。ピルは含まれている女性ホルモンで生理不順や更年期の不調を改善するお薬ですが、飲む時期を調整することで、生理の時期を遅らせたり早めたりすることもできます。
ピルを服用することで、軽い吐き気や頭痛、むくみなどの副作用がでる人もいますので、お医者様と相談して適切な使い方をしてくださいね。
生理を遅らせたい場合の飲み方
生理予定日がわかれば、予定日の5~6日前からピルを服用しましょう。飲んでいる間は生理が止まります。飲むのをやめた2~4日後に、次の生理が始まります。
服用前に生理がきてしまうと、そこから遅らせたり止めたりはできませんのでご注意ください。
生理を早めたい場合の飲み方
早めたい生理のひとつ前の生理中(生理初日から5日目まで)からピルを服用します。服用をやめると、数日後に普段よりも軽い生理がきます。
まとめ
生理中でも日常生活に支障のない人は、生理用品を利用していつも通りダイビングを楽しむことができます。
ただ、生理中の体調は人それぞれです。気分がすぐれない時や生理中で不安いっぱいの人はダイビングの日程を変更するのも大切です。
自分自身の体調と相談して、無理をせずにダイビングを楽しんでくださいね。