ダイビングを始めたばかりの方や、ブランクのあるダイバーからよく聞くお悩みの一つが、器材のセッティング。毎日器材に触れるわけではないですし、なかなか覚えづらいですよね。
安心して安全にダイビングを楽しむためには、器材の正しいセッティングはとても大切。
そこでこの記事では、ダイビング器材のセッティング方法を順を追って解説していきますので、参考にしてください。
器材のセッティング 5ステップで解説
器材のセッティング方法を5つのステップに分けて説明します。
各器材のポイントさえ押さえれば決して難しくありませんので、確認してみてください。
ステップ1 タンクのチェック
まず、タンクに不備がないかを確認しましょう。
エアを充填済みのタンクのバルブには、目印としてバルブキャップをはめてあるか、テープを貼ってあります。
キャップなどがないタンクを受け取った場合は、使用済みの可能性があるので、必ずスタッフに伝えてください。
次にバルブを軽く開いて匂いを嗅ぎ、ガスやオイルの匂いがしないか確認します。万が一変な匂いがした場合は、使用しないようにしましょう。
最後にOリングの確認をします。Oリングが付いているか、付いているOリングにひび割れがないかを確認しましょう。
Oリングが無いのはもちろんNG、ひび割れがあっても水中でエア漏れしますので、不備がある場合はスタッフに伝えてください。
ステップ2 BCDにタンクを取り付ける
タンクのチェックが終わったら、BCDにタンクを取り付けます。
まず、タンクのバルブが自分の右手側になるようにタンクを置きましょう。
そしてBCDの背中部分のベルトを広げ、タンクの上からベルトを通して、バックルを占めて固定します。
BCDのベルトは、タンクのバルブが頭の付の付け根よりやや低い位置に調整しましょう。
ベルトの位置が下すぎると、水中で首を曲げて頭を上げたときにバルブに後頭部が当たってしまいます。
反対に上すぎると、タンクが抜けやすくなります。
バックルを閉めてタンクを取り付けた後は、グラつきがないかしっかりと確認しましょう。
ステップ3 レギュレーターをタンクに取り付ける
次に、レギュレーターのファーストステージをタンクに取り付けるわけですが、迷いやすいのが、レギュレーターのホースの向き。
ホースの向きは、ダイビングしているときの位置をイメージすると分かりやすいと思います。
・右側:メインのセカンドステージ(くわえてエアを吸う物)
・左側:黄色いオクトパス、残圧計、BCD用の中圧ホースの3本(ドライスーツの場合は中圧ホースがもう1本)
迷ってしまう場合は、ファーストステージのヨークスクリューを持って持ち上げてみてください。
自然と1本と3本に分かれるはずです。
向きが決まったら、ヨークスクリューをゆるめてダストキャップを外します。
ファーストステージの穴と、タンクの穴を合わせてヨークスクリューを締めていきましょう。
この時大切なのは、閉めすぎないこと。OW講習で「3本指で」と習うのは、力を入れすぎないで、という意味。
バルブを開けてエアを通したファーストステージには200Barの気圧がかかるので、ゆるめにスクリューを閉めてもがっちり固定されています。
ヨークスクリューを力いっぱい締めてしまうと、ダイビングが終わった後、取り外せなくなってしまうので、注意しましょう。
もう一つ注意してほしいのは、チタン製の高級レギ。
チタン製のヨークスクリューは滑りが良いので慎重に回してください。勢いよく回したら回りすぎて外れて海に落ちた、という話を聞いたことがあります。
ステップ4 中圧ホースをBCDに取り付けオクトパスを固定
中圧ホースをBCDのインフレーターホースに取り付けます。
中圧ホースの金具を指でスライドさせ、BCDの金具に挿したら、カチッというまで金具を戻します。
接続したあとは軽く引っ張って外れないことを確認してください。
中圧ホースがセットできたら、オクトパスをBCDのポケットにしまうか、ホルダーに固定しましょう。
そのままブラブラさせてしまうと、サンゴや底生生物を傷つけてしまいます。
ステップ5 タンクのバルブを開く
全ての器材をセッティングできたら、いよいよタンクのバルブを開いてエアを通します。
バルブを反時計回りに回して開きましょう。
残圧計は下に向けて、最初はゆっくりバルブを開きます。残圧計にヒビが入っていると破裂する可能性があるので、飛び散った時の対策です。
特に問題なければバルブが止まるところまで開け、そこから半回転戻します。こうすることで、バルブを少しひねるだけで、バルブが開いているのか閉まっているのかを確認できます。
セッティングした器材の3つのチェックポイント
タンクにBCDとレギュレーターを取り付けたらすぐにエントリー、というのは危険です。
器材が完璧に使える状態であることを確認しましょう。
タンクにエアが充填されていることをチェック
バルブを開けて器材にエアを通したら、最初に残圧計をチェックして、エアが充填されていることを確認しましょう。
残圧計が200Bar程度を示していれば、OKです。
レンタルの器材では、残圧計の針が動かないトラブルが時々あるようです。
レギュレーターの呼吸チェック
まずはレギュレーターのパージボタンを押して、エアが出るか確認しましょう。
また、レギュレーター内に異物が入っていたら、空気で飛ばされて出ていきます。屋外に干した翌朝には虫が入っている可能性もあります。
まずはパージボタンの一押し、習慣付けましょう。
問題なければ、軽くくわえて呼吸をしてみます。
この時、まれに息が吐けないことがあります。これは、セカンドステージ内の部品がくっついていることがほとんどなので、一度強く息を吐いてみてください。
これで解消できれば問題ありませんが、解消されない場合は別の問題が考えられるので、スタッフに伝えましょう。
また、呼吸をする際は、残圧計を見ながら呼吸します。残圧計の針が動くようであれば、タンクバルブが十分に開いていない証拠です。しっかりと最後までバルブを開いてください。
オクトパスも同様のチェックをおこないます。
BCDとインフレーターの動作チェック
最後にBCDとインフレーターの動作確認をします。
まずは給気ボタンを押してBCDの7分目ほどまでエアを入れます。
耳を近づけながらBCD全体を強めに押して、空気が漏れていないか確認しましょう。
問題がなければ、排気ボタンの作動を確認しながら、BCD内の空気を抜いてください。
これで器材のセットアップとチェックは完了です。
すぐエントリーしない場合はバルブを閉めてホースのエアを抜く
この後すぐエントリーしない場合は、タンクのバルブを閉めましょう
そして、念のために残圧計の針を確認してください。空気の動きがないため、タンクを開けた時と同じ残圧を示しているはずです。
ゆっくり残圧が下がっている場合は、どこかからエアが漏れている可能性があります。
バルブを閉めても残圧計の針が動かないことを確認できたら、レギュレーターかオクトパスのパージボタンを押して、エアを抜いておきましょう。
ダイビング開始前に、ホースに圧力がかかった状態で長時間置くと、ホースの傷みが早くなってしまいます。
まとめ
ダイビング前に器材をセットアップして、動作チェックをする方法をご説明しました。
まとめてみると、簡単そうに見えませんか?
器材のセットアップは次の5つの手順
・タンクのチェック
・BCDにタンクを取り付ける
・レギュレーターをタンクに取り付ける
・中圧ホースをBCDに取り付けオクトパスを固定
・タンクのバルブを開く
セッティングした器材のチェックポイントは次の3つ
・タンクにエアが充填されていることをチェック
・レギュレーターの呼吸チェック
・BCDとインフレーターの動作チェック
すぐエントリーしない場合はバルブを閉めてホースのエアを抜いておきましょう。