本州最南端の和歌山県串本エリアは黒潮の恩恵を受けており、カラフルな熱帯魚から水温低めの伊豆でも見られる魚まで見ることができます。
その種類は、日本に生息している3分の1。
本州最北端のテーブルサンゴ群生地としても人気のダイブサイトです。
この記事では、そんな串本エリアのダイビングについてご紹介します
ボートダイビングのダイブサイトの様子
ボートポイントは、外洋エリアと、近場エリアとに分けられます。
外洋エリアの特徴
港から20分前後の距離にある外洋エリアは、水深30〜40mにある大きな1個根のまわりに、10のダイビングポイントがあります。
黒潮の支流が入りやすいので、いつも流れがあります。
小さい生き物を探すよりも群れや大物を狙うダイビングスタイルとなります。
潮あたりがいいので、ブリやカンパチなどの回遊魚やタカサゴの群れ、また運が良ければハンマーヘッドシャークやマダラトビエイなどの大型の生物にも出会えるポイントです。
過去にはマンタやジンベエザメもでたことがあるそうです。
ドリフトスタイルではなくアンカリングなので、エントリーした場所に戻ってエキジットします。
吐いた泡が横に流れるほど潮の流れが強くなることもあり、水深をガイドに合わせる中性浮力のスキルや、流れに逆らって泳ぐフィンキックのスキルなど、一定のスキルが必要です。
50本以上など一定の経験本数を指定しているダイビングサービスもあります。
流れのある外洋エリアで人気なのは「浅地」
1番人気の「浅地」では、カラフルなソフトコーラルが群生した約30mのドロップオフや、通り抜けできる全長15Mほどの水中洞窟があります。
地形だけでなく魚影の濃さも群を抜いているポイントです。
メジナの群れ、キビナゴの群れ、ハマチ・カンパチの群れ、まれにロウニンアジが見られます。
ハンマーヘッドシャークやマダラトビエイの出現率も高いポイントです。
近場エリアの特徴
近場エリアは、港から10分程の距離にある湾内のエリアで、7つのダイビングポイントがあります。(うち一つは10月頃の1ヶ月間と年末年始のみオープンする季節限定のポイント)
水深は5m〜20mと浅く、流れもないので初心者からベテランまで楽しめます。
ポイントは湾の北側と南側にわかれており、北側はサンゴ群生地でカラフルな魚が多く見られます。
一方で南側は大きな岩が点在するエリアで、幅広い種類の魚やウミウシなど幅広い生き物を観察できます。
写真を撮る方には南側のエリアが人気で、北側エリアは南国のようなカラフルな海で潜りたい初心者の方におすすめです。
近場エリアで人気なのは「グラスワールド」
近場エリアで人気があるのは水深5m〜20mのグラスワールドです。
5〜7mにあるシコロサンゴの群生地ではアオウミガメが見られ、15m前後のエリアでは黄色と黒のストライプ柄のカゴカキダイの群れが見られます。サンゴの死骸によってできた地形で熱帯魚がたくさん生息するポイントです。
小さい生物もウミウシ類、アカホシカクレエビなどの甲殻類、クビアカハゼなどの南方系の共生ハゼなどが見られます。
ビーチポイント
ビーチエントリーでは、ラムサール条約に登録されたテーブルサンゴの群生地を含む遠浅のポイントが5つあります。
どのポイントも最大水深5〜7mほどと浅く、初心者の方もストレスなく潜れます。
日中はチョウチョウウオをはじめとするカラフルな熱帯魚や、スズメダイの産卵、クマノミの産卵・保育行動が見られます。
どのポイントでも、エントリーしてすぐの砂地をかき回すとクサフグが寄ってきたり初心者の方も楽しめるポイントです。
ナイトダイビングでは、サンゴの産卵、クマノミのハッチアウトが見られます。
サンゴの産卵とクマノミのハッチアウトは6月下旬〜8月中旬まで見る事ができます。
サンゴの産卵については、
・6月はスギノキミドリイシという枝サンゴ
・7月はクシハダミドリイシやエンタクミドリイシというテーブルサンゴ
・7月〜8月はキクメイシ
と、時期によって異なる種類のサンゴが産卵します。