ゴム製で、フィンの先が縦に2つに分かれた日本潜水機株式会社apolloの「バイオフィン」。
せっかくフィン先で水をとらえても、割れた部分から抜けてしまうので、進むの?なんて疑問になりますよね。
5年間愛用していますが、普通に進みます!流れがあっても進みます!
GULLのフィン「MEW CYPHER」からapolloの「バイオフィン」に変えて、先割れフィンならではのフィンキックを身に付けました。
この記事では、バイオフィンの特徴や使い方、良い面、悪い面、どんな人に向いているかを、「MEW CYPHER」との比較も交えてユーザー目線で口コミレビューします。フィン選びの参考にしてください!
バイオフィンの基本情報
タイプ | ストラップフィン |
材質 | 天然ゴム |
サイズと重さ(両足) | XS:2,180g ~ LL:3,060g |
製造元の日潜水機株式会社のキャッチコピーは、「疲れない、足がつらない、でも良く進むフィン」。
まさにその通りで、ゲストにおすすめしているダイビングショップも少なくありません。
ストラップフィンなので、ブーツと組み合わせて使います。
バイオフィンの主な構造上の特徴は3点です。
- フィンのブレードが縦に分かれた「先割れフィン」
- 天然ゴム製で重い
- 金属製スプリングのストラップ
一つずつご説明します。
フィンのブレードが縦に分かれた「先割れフィン」
バイオフィンは、フィンのブレード(水をとらえる部分)が縦に2つに割れた先割れ構造。
フィンキックをすると、ブレードのすき間から水が抜けます。すき間から水が勢いよく噴出されると、その反動で、すい~っと前に進みます。
フィンのすき間から水が抜けるので、水の抵抗が少なくなります。あまり力をつかわないので、脚力が弱いダイバーでも楽にフィンキックができますよ。
バイオフィンのフィンキック方法
バイオフィンでは、水泳のバタ足のようなフィンキック。
足の付け根はあまり動かさず、ひざ下を小刻みに動かして進みます。
足の甲やふくらはぎで水を押している感覚が少ないので、脚力が弱い人でも楽にフィンキックできます。
泳ぐ速度は、ひざ下を動かす速さで調節。細かく速く足を動かすことで、流れがあっても進むことができます。
日本潜水機株式会社apolloのホームページにも、次のように紹介されています。
『自転車こぎでもなんでも良いので、フィンを上下に早く動かすことで、スピード=推進力が得られます。』
一般的なフィンのフィンキックとの違い
一般的なフィンは、ひざを曲げずに、足の付け根から上下に動かして進みます。足の甲で水を押しているのを意識しながら振り下ろすのが重要。バイオフィンのフィンキックとは真逆ですね。
普通のフィンでは、足先(フィン)の移動距離はバイオフィンより長くなり、水の抵抗を受けるふくらはぎには相当な力がかかり続けます。
脚力が弱い人は、いわゆる「自転車こぎ」になって進まなかったり、足をつりやすいデメリットがあります。
脚力の弱い人はバイオフィンのフィンキックが楽
以前使用していたMEW CYPHERは、ブレードが分かれていない普通のゴムフィン。一般的なフィンキックで泳ぎます。
MEW CYPHERを使っていた時にも水泳のバタ足泳ぎをしてしまい、バディから、「もっと太ももからキック!」と注意されていました。
バイオフィンに変えたことで、堂々とバタ足で泳げるようになり、楽に進めるようになりました。バディからも、ひざ下を小刻みに動かしているけど進んでる!と、良い評価をもらっています。
脚力(太ももやふくらはぎの力)が弱く、普通のフィンキックがつらい方には、ひざ下をバタバタ動かすだけで楽に進めるバイオフィンは救世主のような存在!
バイオフィンのフィンキックは他のフィンでは進まない
先が分かれていないフィンでバイオフィンのフィンキックをしても進まないので、「他のフィンへ適応できない」のがデメリット。
バイオフィンで5年間もバタ足で泳いでいたので、この泳ぎ方がクセになっています。友人のフィンを使ってみたら全く進みませんでした。
フィンの特性に合わせて、泳ぎ方を変えることは簡単ではありません。ダイビングによって、バイオフィンと一般的なフィンを使い分ける可能性がある人は注意してください。
天然ゴム製なので重い
先割れ部から水を流しても推進力を得られるよう、フィンそのものはしっかり作られていて、重いです。ですが重いことはデメリットではありません。
重いので足が沈みやすい
バイオフィンは重いので、マイナス浮力で足が下に沈みがちです。
足と腹筋の力が弱い人は、ダイビング中に足が浮いて反り腰になりやすく、知らず知らずのうちに腰に負担をかけています。
この水中姿勢は、バイオフィンの重みで足が沈むことで自然に改善。腰への負担が軽減します。
重いのに疲れにくい
「重いフィンでバタ足のように足を動かすと疲れない?」と聞かれることもありますが、大丈夫!
疲労は筋肉を使うほど強く感じます。
一般的なフィンは、フィン本体は軽いものの、キックをするときには、水を押す力も必要です。
バイオフィンは確かに重いですが、先割れ構造のため、水を押すのにあまり力を使いません。
筋肉を使わないので、バタ足でも疲れにくいんです。
飛行機旅行の時は荷造りに気をつかう
飛行機に無料で預けられる重量は基本的に20kgまで。バイオフィンは重いので、この重量制限をクリアしにくいです。
私は小柄な女性なので、バイオフィンはXS、BCDとスーツもXXSと小さく、器材は比較的軽め。
ウェットスーツなら20kgを超えることはありませんが、ドライスーツの場合は私のサイズでも20kgを超えてしまいます。
重さが気になる場合は、器材一式、現地のショップかホテルに送っておきましょう。
使用しているフィンの重さを測ったらカタログ値より重い!
器材のお店に行って、新品のバイオフィンを持ってみたら、私が持っているフィンより軽く感じました。
帰宅後、私の所有しているフィンの重さを量ってみたら、私のフィンはカタログ値よりも約800g重かったです。
カタログ値 | 私のフィン | |
バイオフィンXSサイズ(両足) | 2,180g | 2,940g |
カタログには「重量は色により多少前後」と書いてありますが・・・
使っている間に水を吸って重くなったんでしょうか???
参考までに私のフィンの情報。
・ピンク
・ダイビングショップで2019年に購入
・約50日使用
ストラップは金属製スプリングをおすすめ
長さ調整できるプラスティック製のストラップを採用しているバイオフィンもありますが、メリットが大きいので金属製スプリングのストラップをおすすめします。
伸び縮みするから脱ぎ履きしやすい
プラスティック製のストラップは、伸ばした状態でフィンをはいて、両手でストラップを縮めて足に固定します。両手を使わないと履けません。
スプリングストラップは、かかとを固定するゴムの部分にリングがあり、そのリングを片手で引っ張るだけで簡単にフィンを履くことができます。
適度に足にフィットする安心感
常にベストポジションでフィンを足に固定してくれるので、フィンキックしやすいです。
ストラップを締める力が弱くて、水中でフィンが脱げそうになる、なんてこともないので安心。
手首や腕にぶら下げて運ぶことができない
基本、縮んでいるので、ストラップフィンのように手首や腕にぶら下げて運ぶことはできません。
スプリングストラップはリング部分に指を引っ掛けるか、手で持って運ぶことになり、手がふさがってしまいます。
手首や腕にぶら下げて持つほうが楽な人や、カメラなどの荷物が多い人は、何をどう持つかイメージしてストラップを選択しましょう。
バイオフィンはどんなダイバーにおすすめ?
Apolloのバイオフィンは、初心者からベテランまで、どんなダイバーにもおすすめできるフィンです。
脚力が弱く水泳のバタ足でフィンキックしてしまうる初心者に特におすすめ
普通のフィンでフィンキックすると自転車こぎや水泳のバタ足のようになってしまう方には、先割れのバイオフィンがぴったり。
力を使わずにフィンキックして進めるので、普通のフィンでフィンキックすると足が疲れたり足がつりそうになる人に特におすすめします。
フィンの特性にあわせて泳ぎ方を変えられる熟練ダイバーにもおすすめ
日本潜水機株式会社apolloのホームページには、バイオフィンは、『米国海兵隊特殊部隊をはじめ、各国の特殊部隊や海軍・陸軍のダイバー部隊が使用している。』とも紹介されています。
バイオフィンの特性を生かしたフィンキックができるダイバーでしたら、ベテランダイバーも満足して使えますよ。
流れている中でも泳ぐことができ、力を使わないので疲れないしエア持ちが良いくなるメリットも!
バイオフィンまとめ
ゴム製で、フィンの先が縦に2つに分かれた「バイオフィン」。ひざ下を上下に動かすだけで進み、ブレードの割れ目から水が抜けるので、力を使わずにフィンキックして進めます。
- ビギナーには楽にフィンキックできるメリット、
- ベテランには力を使わないのでエア持ちが良くなるメリット
があり、どんなダイバーにもおすすめできるフィンです。ぜひご自身で体験して評価してみてください。
バイオフィンQ&A
最後にバイオフィンの特徴をQ&A形式でまとめておきます。
Q:先割れのバイオフィンで進む仕組みは?
A:フィンキックをすると、フィンの割れたすき間から海水が抜けます。すき間から水が勢いよく噴出されると、その反動で、すい~っと前に進みます。
Q:先割れのバイオフィンのフィンキックは力がいるの?
A:フィンのすき間から水が抜けるので、水の抵抗が少なくなります。脚力が弱くても、楽にフィンキックできます。
Q:先割れのバイオフィンのフィンキック方法はどうする?
A:バイオフィンでは、水泳のバタ足のようなフィンキック。自転車こぎでもOK。足の付け根はあまり動かさず、ひざ下を小刻みに動かして進みます。
Q:先割れのバイオフィンのメリットは?
A:力を使わずにフィンキックして進むことができるので、楽です。さらにエア持ちも良くなります